◆はじめに
09年入試の大きな特徴は、センター試験の難化に加えて、不況で国公立大学・私立大学とも難関大学を中心に志願者を減らしたことである。昨年アップしたセンター試験の平均点が、今年は大幅にダウンし、国公立大学では多くの受験生が出願を諦めたり、経済的な理由から地元志向になったりした。一方、私立大学では不況の影響で受験生が併願校を絞りこんだため、難関大学の志願者が減少し、安全志向も働き一部の中堅大学が人気になった。
このような状況は本校生徒の進学にも少なからず影響を与えたように思われる。今春の卒業生の進学成績を振り返ってみよう。
◆国公立大学
難関大学や医学部医学科を中心に後期日程廃止・縮小が続き、国公立大学の実質一校受験化が進んでいる。志願倍率はセンター試験の平均点ダウンの影響が大きく、センター試験導入後最低の4.8倍であった。不況で国公立大学人気が高まると思われたが、センター試験の平均点大幅ダウンで、思うように得点できず、出願を諦めたり、経済的な理由で安全志向が働き、地元志向になったことも影響して、難関大学を中心に志願者を減らした。しかし、国公立大学の出願を諦めた受験生は合格ボーダー近辺の受験生で、厳しい入試状況には変わりないようだ。
本校生徒の合格者数は43名(うち既卒は5名)で、前年度の32名を上回った。18名が県外の中堅大学に合格し、地元の高知大学・高知女子大学の合格者総数は25名で、昨年の18名から増加した。センター試験で思うように得点できずに苦戦したが、多くの生徒が国公立大学合格を目標に最後の最後まで努力した結果、二次試験で逆転し、希望の大学に合格できたことは評価できる。また、国公立大学ではないが、本校初の防衛大学合格、倍率20倍超高知県唯一の自衛隊看護学生合格は特筆できる。
◆私立大学
少子化の影響で減少していた志願者数が二年前より増加に転じた。今春入試でも前年並みだが若干志願者数が増加した。受験生数の減少にもかかわらず志願者数が増加したことになる。一般方式、センター方式とも前年並みだが、センター方式の延びが止まった。
今春入試の大きな特徴は、センター試験難化と景気悪化により、受験生は併願校を絞り、関東や関西の大都市圏の多くの難関大学が志願者数を減らし、安全志向で一部の中堅大学が志願者数を延ばしたことである。
都市部にある知名度が高い大規模校では入試改革を積極的に進めている。学部新設(改組)、センター試験利用入試の複線化や多様化、全学部日程入試・学部統一入試の導入、受験料割引・減額入試の導入など、より受験しやすい制度を導入している。その一方、地方の小・中規模大学の多くは志願者が集まらない状態が続いており、私立大学の中でも二極化は確実に進んでいる。
本校生徒の実績は関東・関西の難関大学を含め、前年を大幅に上回る成果を上げた。中でも、「関関同立」合格者25名は特筆できる。合格者数は延べ257名で、前年の209名から大幅に増加した。
その理由は、第一にセンター試験の難化、安全志向による国公立大学志望者の私立大学併願。そして「こだわり受験」である。何が何でも志望校に合格したい思いから、同じ大学のいくつかの学部・学科を複数の入試制度を利用して受験し、第一志望の学部・学科の合格を目指した。中には延べ13回受験し、志望校に合格した生徒や、指定校推薦の校内内定が得られず、実力で志望校に合格した生徒もいた。
私立大学を受験した生徒は192名で、その内5校以上受験したのは25名、最高は27校であった。一人あたりの平均受験校数は2.6校で前年の2.0校を大きく上回った。
私立大学合格者の内訳は首都圏が22%、東海2%、近畿関西圏50%、中国7%、四国17%、九州1%である。私立大学進学者の42%が指定校推薦を利用し、薬学部志願者は14名(前年は11名)で、合格者は延べ15名、神戸薬大、神戸学院大、武庫川女子大などに合格した。
◆10年入試に向けて
さて、いよいよ10年度入試に向け、競争の火蓋が切られた。18歳人口は毎年減少しているが、ここしばらくは120万人前後で推移する。一部の難関大学を除けば、「大学全入時代」に実質入っている。しかし、国公立大学は根強い人気を続けているし、都市圏の有名私立大学は多くの受験生集め、競争が激しく難化している。
大学の二極化が進む中、「大学であればどこでも良い」ではなく、「苦労して、必死になって勉強してでも、入りたい気持ちになれる大学か」よく考えて、志望校を決定してほしい。
◆合格のために
最後に志望校合格を勝ち取るために、生徒諸君に実践してほしい事柄をいくつか挙げよう。
(1)志望校・志望学部を早期に決める。オープンキャンパスに参加するのも有効。第一志望は、まずは高めに定めるほうがよい。
(2)健康管理に気をつけ、規則正しい生活リズムの中で、学習時間を精一杯確保する。自分の部屋を、勉強に集中できる環境に整備することも大切。
(3)日々の授業を大切に、基礎学力を養う。
(4)年間学習計画を立てる。特に夏休みまでに基礎を確実にすることが重要。
(5)模擬試験を積極的に受ける。学習到達度の確認と弱点のチェックができる。
(6)自習室を活用する。自宅には何かと誘惑が多い。自習室は集中できるだけでなく、周囲の頑張りぶりがよい刺激になる。
本格的な「受験勉強」は一年近く続く。とりわけ高校3年生諸君は、最後まで自分を信じ、「絶対合格する」という強い信念をもって頑張ってほしい。